結論から言うと痛み止めは体に悪いです!!
っていうのは極論ですが、正しい飲み方をしなければ体に負担がかかるのは間違いないでしょう。
もちろん どの薬もそうですが、薬というのは諸刃の剣であり有効性が上回るときに飲むのが正解だと思います。痛み止めは悪だといっているわけではなく、痛みがあることで眠れない…ずっと痛みを堪えなければいけない…そういった場合は早急に飲むべきです。
痛み止めというのは大きく分けて3つに分かれています。
「オピオイド」「鎮痛補助薬」「NSAISDs+アセトアミノフェン」
です。※書籍で定義は異なります。
・オピオイドというのはかなり強い疼痛やがん患者さんに使われる薬であるためあまり馴染みがない かと思います。いわゆる医療用麻薬というのもこの中に含まれます。
・鎮痛補助薬というのは神経障害性疼痛など通常の痛みのコントロールが出来ない場合に使用します。
・NSAIDs+アセトアミノフェンというのが一般的に使用されている痛み止めの成分になります。
NSAIDs(エヌセイズ)というのはCOX(コックス)を阻害することでPG(プロスタグランジン)という痛みは増強させる成分を抑えることで、痛み・炎症を抑える作用があります。
一般的にドラッグストアで使用されている薬のほとんどにNSAIDsが使用されています。
インドメタシン・ロキソプロフェン・イブプロフェン・ジクロフェナク・アスピリン・ナプロキセン・フルルビプロフェンなどが該当します。
アセトアミノフェンは同じく鎮痛薬なのですが、詳しい作用の仕方というのは分かっておりません。
おそらく脳の中のCOXを抑えることで痛みを抑える効果があるのではないかと言われております。しかし、脳以外のCOXは抑えてくれないので抗炎症作用はないと言われております。
では、なぜこのNSAIDsは体に良くないのか?
それはPGという物質が体を守る働きをしているからなんです。PGは胃をまもってくれる働きや、腎臓を保護する働きもあります。NSAIDsというのは、胃を守ってくれるPGを抑制して、腎臓を守ってくれるPGを抑制します…
大変だ!!
実際に消化性潰瘍診療ガイドラインでは、「NSAIDsの服用は明らかに潰瘍にリスクを高める」「予防治療がされていないと胃潰瘍のリスクは10-15%ある。」とされています。
10−15%だったら全然大丈夫だよーというそこのあなたっ!
10%あれば10人いたら1人は潰瘍になる、小学校のクラス40人だったら4人は潰瘍になると考えれば無視できない頻度だと思います。腎臓にも負担がかかるため、腎障害にも注意が必要です。
それに対してアセトアミノフェンという薬は脳内でのCOXを阻害するので、胃潰瘍だったり腎障害のリスクは少ないとされています。しかし、鎮痛効果としてはNSAIDsのほうが強いとされているため敬遠されがちです。特に痛み止めの知識が中途半端にある人に…(個人的にはしっかり使用すればアセトアミノフェンも良い選択肢になると思います)
でも痛み止めを飲まないと、「片頭痛が!」「腰痛が!」「歯がっ!」どうしたらいいんだー
という方もいるかと思います。もちろん痛み止めを飲むなと言うのではなく、正しく服用しましょうということです。
たとえば、
・しっかり用法を守って痛み止めは食後に服用する:食物があることで胃の負担を軽減できる
・痛み止めをアセトアミノフェンにする:箱の裏の成分表を見てみてください。種類は少ないですがあります。アセトアミノフェンにも全くリスクがないわけではありませんが…
・胃薬と一緒に飲む:潰瘍のリスクが減らせることが分かっています。病院の先生が出してくれない時は相談してみましょう。
・痛み止め以外の対処法を考える:腰痛であれば湿布にする。歯が痛ければ歯医者に相談する、虫歯を予防する。頭痛であれば寝不足・寝すぎ・ストレスを減らす、水分をしっかり摂るなど生活習慣を見直す。
などです。
痛み止めは正しく使えばすっごく優秀な薬なだけに乱用されがちなお薬です。
私の近くにも痛み止めを胃薬もなしでガバガバ飲む人もいます。
自分の身を守るのは自分です。
皆さんにはしっかり薬のリスクを理解し、健康への道を歩んで行ってほしいと思います。
今日はこのへんでさよなら−
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